職員、児童みんながフレンドリーな施設

児童養護施設 ふれんど

施設名 児童養護施設 ふれんど

法人名 社会福祉法人羽生福祉会

住 所 埼玉県羽生市下新郷666

H P http://friend-san.jp/

施設長:川田 光好

 「施設に求められている重要な機能は、我々施設のノウハウをいかにその地域に還元できるかということ」

 

 

 

羽生市の小学校の教員を長年していて、その後教育委員会など行政で13年間働き、定年までの6年間は校長職を勤めました。

 

学校は地域に根差した大事な拠点であり、子どもたちを通して社会的コミュニケーションとしての場を担っています。今、児童養護施設に求められている重要な機能は、我々施設のノウハウをいかにその地域に還元できるかということです。私自身、長年の教員の経験を生かせるところと考えています。

 

かるた大会の練習などには地域交流スペースとして会議室などを貸し出し、幼児スペースでは法人内の高齢者施設向けにクリスマス会や敬老の日などのイベントなどを定期的に行っています。

 

また地域で「納涼祭」を行っており、その時はボランティアに施設の中高生が参加して、設営や高齢者の介助をしたりします。幼児や小学生は屋外ステージでお遊戯をしますが、これは高齢者の方にとても好評です。

 

職員も高齢者施設に行くことにより、介助や対応の仕方など勉強にもなっています。これから乳児院もできるので、子育て世代の手助けになれるような場を作り、地域との交流ができたらと考えています。

 

 

 

施設について

 

「ふれんど」という名前を決める時に、子どもは子どもらしくのびのびと職員もみんな仲良くフレンドリーな関係を、という意味を持たせました。

 

施設自体も歴史が浅いため、昔からのしきたりやしばりのようなものが少なく、自由な発想で意見が言いやすく、若い人が働きやすい職場です。

 

職員も施設のことを考え自発的にいろいろなことをやっています。児童が勉強したいと言えば塾に通わせるなど、やりたいとことを積極的にやらせてあげるようにしています。そのためか最近は進学する児童も増えてきています。

 

 

 

学生向けのメッセージ

 

自分自身では見えない部分を児童や職員から吸収して、チャレンジ精神をもって成長してください。皆さんはそれさえあればなんでもできる若さとパワーがある世代です。

 

子どものために何かしたいと思う方はぜひ児童養護施設に足を運んで、触れ合うだけでもいいですし、体験や見学に来てください。そしてご縁があれば「ふれんど」にぜひ就職してほしいと願います。


ベテラン職員:長島 邦子

 

「児童の将来を一緒に見たり、泣いたり笑ったりしながら手探りでしていく仕事」

 

 

 

学生時代から15年くらい小学生~高校生までの塾講師をしていました。

 

その後全く違う業界にいましたが、その時自分の周りで子育てに困っている人たちをよく見かけ、その中には適切な養育がされているとは言いがたい児童もいました。

 

うちにはよく子どもが遊びに来ていました。いろいろな子がおり、様々な育てられ方があるのだと思いました。

 

その時、身近で児童に関する事件が起き、それがとてもやるせなくもどかしさも感じ、児童福祉の仕事をするきっかけになりました。

 

資格を持っていなかったので、通信教育で学び福祉の国家資格を取得しました。

 

施設に入職してから少しして、女子棟1年、男子棟5年を担当しました。棟で児童と一緒にいる時が一番楽しかったです。しかしながら仕事と家庭の両立に苦慮し、上司に相談し現場ではなく統括主任として日勤(9時から18時)で働くようになりました。

 

児童たちは私の実子と同年齢の子も多く、みんな自分の子のような感覚でなかなか冷静になれない複雑な自分もいました。

 

 

 

施設での働き方

 

ユニット制7~8名の縦割りで職員は3人で、断続勤務です。夜は職員が2人いるようになっていて、どんな時でも児童だけになることがありません。

 

子どもの気持ちは「待ったなし」なので、一人は児童の対応をしていても、もう一人は仕事ができるなど、夜手厚い対応ができるというのがメリットです。これは児童のことを考えて職員からの要望でこの勤務体制になっています。

 

棟は棟で責任を持って児童を見てもらい、自主的にやってもらうことが多いです。課題があれば話し合いをしています。職員は大変な仕事だからこそ、あまり厳しくせず、自主性に任せている部分もあります。

 

 

 

学生へ向けたメッセージ

 

とても大変な仕事です。私は児童のマネージメントをしているつもりでいます。児童の将来を一緒に見たり、泣いたり笑ったりしながら手探りでしていく仕事だと考えています。

 

親ではないけれど、一緒に生活をしながら育っていく姿を見られる喜びがあります。ぜひお待ちしています。


新人職員:大西 遼河

 

「学校で学んだことと現場は違うことも多々ありますが、ベースは学校で学んだこと」

 

 

 

児童養護施設で働くこと

 

子どもの頃、担任の保育士の先生に憧れたのがきっかけで自分も将来保育士になりたいと思って進学しました。実習先として、乳児院と障がい者施設と児童養護施設の3つの中からランダムに振り分けられて児童養護施設に行くことになり、実習を重ねるうちに児童養護の道に進みたいと考えるようになりました。

 

 

 

振り返ると、最初に実習をした施設が、家庭的で温かくて居心地がよく、一員になりたいと思えるようなユニット形式だったことに惹かれ影響を受けました。現在自分が担当している棟もそんな雰囲気にしたいと意識して頑張っています。

 

この施設は理念がしっかりしていて、自分のやりたいことに柔軟に動いてくれそうだなと思いました。

 

今、私の担当しているユニットでは5歳~高校3年生(全員男子)までの8人を職員3人体制で見ています。幼児が大きい児童を慕ったり、大きい児童が下の子の面倒を見ているのが嬉しいです。

 

児童たちとお互いに意見を言い合えてガツンと本気でぶつかれるようになったのは、入職して1年半くらいだったと思います。やっと棟の一員になれたような気がしました。

 

友だちでも家族でもないのにほぼ一緒に生活をして距離も近く、職員と児童という特殊な関係はお互い探り合い、コミュニケーションをとりながら理解や譲歩をしなくてはならないという難しい関係です。

 

たまには客観的になってみたり、自分本位になってみたり、使い分けができればいいと思っています。

 

入ったばかりの頃は、試し行動もよくされていましたが、それはあってもいいのかなと思っています。それにより徐々にコミュニケーションが取れ、信頼関係を得ることができるからです。

 

 

 

学生に向けたメッセージ

 

学校で学んだことと現場は違うことも多々ありますが、ベースは学校で学んだことにあると思います。例えば児相など関係機関のことや、児童との接し方など一番ベースの部分です。ただ、そのベースにいかに経験を積み上げていくかが大事です。知識、視野は広いに越したことはないです。

 

児童と一緒にいる時間はたくさんあるので、どれだけその時間を楽しめるかが大切だと思っています。

 

辛いと微妙な形でサインを出してくる児童もいます。どうキャッチできるアンテナを張っていられるか、そこが大事なところでもあります。


新人職員:上原 杏奈

 

「何かあってもめげずにやっていく中に見えてくるものがあります」

 

 

 

児童養護施設で働こうと思ったきっかけ

 

高校生の時に見た児童相談所のドラマを見てそれに大変心動かされ、児童福祉に興味を持ったのがきっかけです。児童養護施設の存在はその時はまだ知りませんでした。

 

自分がごく普通の両親や兄弟がいる家庭で育ったので、そういうものがない子の助けになりたかったのだと思います。大学2年生から学童保育でアルバイトをしていて、心理ではなく児童福祉施設で働こうと決めました。

 

児童福祉施設の就職活動の時期の前に、とりあえず一般企業の面接を練習がてら受けてから本格的に動こうと考えました。ホテル業界も興味があったので、面接を受けたところ合格してしまい、2年半ホテルの受付として働きました。そして昨秋、いよいよ児童養護施設にて働く道を選びました。

 

 

 

「ふれんど」を選んだ理由

 

埼玉県の養護施設を調べていて、3施設に見学に行きましたが直感で「ふれんど」に決めました。

 

実際に働いてみて、大学でかなり児童養護について勉強はしていたので大きなギャップは感じていません。

 

児童相談所のドラマに影響は受けたものの、施設現場で働いていたいと思っています。学童保育でのアルバイトのときでも現場が楽しいなぁと実感したものです。

 

 

 

印象に残ったこと

 

他の棟の小学校低学年で若干問題行動のある男児になぜか好かれ、折り紙の鳥やお菓子、アクセサリーをくれるのです。少し距離感がむずかしいなと思っているところです。

 

 

 

学生に向けたメッセージ

 

児童はとてもかわいいです。でもかわいいと思うだけではできる仕事ではありません。

 

何かあってもめげずにやっていく中に見えてくるものがあります。見学からでもいいので一度現場を見に来てほしいです。