施設名 児童養護施設 江南
法人名 社会福祉法人とちの実会
住 所 埼玉県熊谷市千代339-10
H P https://www.totinomikai.or.jp/_konan/
電 話 048-536-3919
E-mail totinomi@water.ocn.ne.jp
「時代にそぐわない昔からのルールやしきたり、仕事の改善や働き方などすべて見直しをしました」
プロフィール
埼玉県社会福祉事業団に入職後、障がいなどの施設でも働きましたが、児童養護の世界が1番長くて21年間働いていました。事業団を退職後に、この施設にきました。
児童養護施設江南は、H26に移転したのをきっかけに、大舎制からユニット制へと変わりました。
施設の改善
私が施設長になったときに、時代にそぐわない昔からのルールやしきたり、仕事の改善や働き方などすべて見直しをしました。
ある女児がスカートを履きたいと言われたことがあり、いいよと答えると涙を流して喜びました。昔から施設ではスカートはダメだと言われており、新しく来た園長ならと思い、思い切って言いに来たそうです。
なぜダメなのか、実は職員も把握しておらずスカートはダメだという風習だけが形骸化して残っていたのです。
おそらく昔、何か問題があり下着が見えるのは良くないからスカートはダメだとなったのだとは思いますが、禁止するのではなく、下着が見えることは恥ずかしいこと、見えないように工夫してスカートを履くというのを教えていくものだと思っています。
数人の職員が児童を見る大舎制とは異なり、今は家庭の事情や置かれている状況、勉強したい、部活をしたい児童など個で見てあげなさいと指導しました。
当時、職員は仕事の改善を通して、施設の外の世界に初めて気がついたような感覚になったのです。知らないことが当たり前になっていて、常識だと思ってやっていたことがそうではなかったと気づかされた。
「地元ではスポーツ少年団でサッカー指導員をしています」
児童養護施設を目指したきっかけ
実家が美容室で、お客さんの子どもと遊んで待っているということがよくあり、もともと子どもが好きなのもあって、高校3年の時に保育科の学校へ行きたいと思うようになりました。
そんな時、父親からこれからは福祉を学んだ方がいいんじゃないかと提案され、福祉の道を考えるようになり大学に進みました。
大学2年生の時に大学で保育資格が取れるようになり、資格を取りました。最初は保育園に行こうと思っていたのですが、もっと家庭的な方が自分には向いていると思い、児童養護施設で働きたいと思ったのが大学3年生の時でした。
4年生の夏に児童養護施設にボランティアに行き、ますます興味を持ちました。
当時は、いざ入職先を探すとなると、児童養護施設に男性の枠はほとんどなく、狭き門でしたが唯一男性の募集枠が出たのがこのとちの実でした。
地元ではサッカー指導員
とにかく子どもが好きで、地元ではスポーツ少年団でサッカーの指導員(JFA公認ライセンスC級)をしたり、地域のお祭りに参加したりしています。実子も二人いて、どちらもサッカーをしているので、週末は子どもとサッカーをしていることが多いです。
昔の大舎制の時は、児童もスポーツが強かったと思います。みんなで一斉に練習ができたし、自分も一緒にやる時間がたくさん取れました。今は個々を大事にして、サッカーをしたい児童、ゲームをしたい児童などそれぞれが自由にやりたいことができるようになっています。それも大切なことだと思っています。
「宿直はきついイメージがあるかもしれませんが、やってみると印象が変わるかもしれません」
児童養護施設を目指したきっかけ
小さいころから親戚の年下の子を面倒見ることが多く、子どもが好きになり小学生の時から保育園、幼稚園で働きたいと思っていました。
中学生の時、工業系の学校に進みたいと思い、高校は工業高校に進学しました。でも、1年学んで自分がやりたいのは子どもたちとかかわる仕事だと思いなおしました。
実際学校で学んでみて、保育園や幼稚園は児童を見られる時間が限られること、幅広い年齢層の児童と接したいということを考えたとき、児童養護施設を知り入職しました。
嬉しかったこと
2年目の時、少し体調を崩し1ヶ月間仕事を休みました。お休み中、施設に顔を出したとき、先輩の担当の小学生が手紙を書いてくれていて、とても嬉しかったことを覚えています。
その児童はあまり手紙を書くタイプではなく、外で元気いっぱい遊んでいるような子だったので、自ら書こうと言い出したと聞いて余計に嬉しかったです。
まだちゃんと取ってあります。
児童との関わり方
ご飯を食べて、お菓子を食べたり、遊んだり普通に生活をしているような感じです。
小学校高学年の児童とは、勤務の中で買い物に行ったり、1対1で過ごせる時間を作ってもらうようにしています。
学生へのメッセージ
宿直はきついイメージがあると思いますが、一人で宿直している時間に児童が訪ねてきて、本音を聞き出せることもあります。
夜のその時間だからこそ、ほかの職員や児童の目を気にすることもなく、話ができることもあります。宿直はやってみるととても大事な時間になることもあり、印象が変わるかもしれません。
「自分には児童養護施設が直感で合っていると思いました」
児童養護施設を目指したきっかけ
短大の保育科に行って、保育士として勉強をしているときに児童養護施設を知りました。
幼稚園や保育園は職場体験で分かっていたけれど、児童養護施設についてはわからなかったので、定期的に行事などのボランティアを募集している施設を調べて行ってみて、もう少し働いてみたいと思い、長期の週1回勉強を教えるボランティアに参加しました。
仕事として幼稚園、保育園と児童養護施設を比べた時、自分には児童養護施設が直感で合っていると思い入職しました。
料理は少しはできましたが、施設で働くようになってからきちんと料理を覚えました。
嬉しかったこと
地域小規模施設で勤務しています。
中学生の児童が自分に対して1年目とは接し方が変わってきたように思いました。
今までは自分に直接言ってくることは少なく、上の職員に言っていることが多かったけど、最近は自分にもちょっと挑発的なことも言ってくるようになって、実は個人的に嬉しかったのです。
どんな感情でもいろいろ出せてきているというのはいいことですし、自分も少しずつ感情を出すようにして時にはケンカもしました。でもより深く、濃く、いい関係ができてきたように思えてとても嬉しいです。
小規模ユニットでの生活
ユニットでは児童が6人で、そのうち小4と中2の女の子の2人を担当しています。
普段はリビングでテレビを観たり、宿題をしたり、料理好きな子が多くて手伝ってくれたりもします。忙しい時は作っといたよ!と夕飯の用意までしてくれます。
家庭的な雰囲気で、住宅街の一軒家なので目指している形に近いのかなと思っています。
地域の運動会やクリスマス会、もちつき大会、子ども会などにも参加していて、地域交流もしています。
学生へのメッセージ
いろいろな施設を見るのが一番の勉強になります。その上で自分にとって最上のものを選択するのがいいと思います。
「1年目からとても大変だったけれど続けてきて本当に良かったと思いました」
児童養護施設を目指したきっかけ
高校時代、保育園志望の仲の良い友だちがおり、保育園のボランティアに誘われたのがきっかけで保育に興味を持ちました。
福祉専門学校へ入学し、幼稚園や保育園実習を重ねるうちに、学校にいる時間以外の時間をみたいと思うようになりました。
そこで児童養護施設を見学し、自分とは違う家庭環境でみんな一生懸命生活している姿や、職員だけど友だちのような兄弟のような柔らかい雰囲気で接している姿がアットホームで、こういう温かい場所で働いてみたいと思い入職しました。
大変だったこと
2年目になり、一番暴れていたけれど仲の良かった児童が離れることになってしまいました。その後、廊下ですれ違ったりするときには必ず挨拶をしてくれたり、お土産やお手紙をくれたりして、1年目からとても大変だったけれど続けてきて本当に良かったと思いました。
毎日一緒にいる中で、この人だったら話してもいいと思っているとか、雰囲気で分かることもあり、認められたような気持ちで本当に嬉しかったです。実習生のときとは違う段階に来たんだなと実感しました。
施設での生活
担当は高校生が二人なので、21時ごろまでは小学生と関わる時間とし、消灯時間までは大きい児童と関わる時間と自分の中で区別しています。個別だったり職員室で話したりしながらコミュニケーションを取るようにしています。
長期休みや行事だと遠出してディズニーランドへ行ったりします。
学生へのメッセージ
紙や情報だけでは感じられない部分が多々あるのと思うので、児童養護施設に興味のある方は1度足を運んでぜひ見学や実習などに参加してみてください。
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