子どもたちが集い・憩い・学ぶ施設

児童養護施設 エンジェルホーム

施設名 児童養護施設 エンジェルホーム

法人名 社会福祉法人子供の町

住 所 埼玉県春日部市西金野井337

H P https://kodomonomachi.jp/

※児童養護施設エンジェルホームと児童養護施設子供の町は同じ社会福祉法人が運営しています。

施設長:根岸 昇

 

「人と人が共に成長できる現場に飛び込んで欲しいと思います」

 

 

 

子供の町の特長

 

子供の町の歌の歌詞の中にあるのですけど、子どもたちが「集い・憩う・学ぶ」ところが特長です。この歌は昭和29年に当時施設にいた中学1年生と2年生が作詞作曲した曲。今でも大切に歌い継いでいます。

 

色々な事情で子どもたちが集い、羽を休むために憩いの時を過ごして、子ども同士や職員とのかかわりの中で自立をするための様々な知識やものの考え方や価値観を学ぶ。歌詞そのものが施設を象徴しています。

 

 

 

地域との関わり方について

 

現在約150人の児童がいて、埼玉県だけでなく全国的にも規模が大きい施設です。しかし規模が大きいことは弊害もあり、地域の理解が必要になります。

 

例えば以前は小学校で多いとき100人以上が、同様に中学生では560人が同じ学校に通い、各学年に15人から20人いる状態でした。

 

「学力問題」や「非行問題」を抱える子もいたりすると、地域の中で「施設の子がこれだけいるから」という視点で見られてしまうこともあります。

 

ですから地域の中に児童養護施設があるメリットをどうすれば出せるかが課題だと思います。例えば地域の人が気軽に会議室などを利用できる形も考えられますし、災害時には避難所にもなることもあります。日常生活の中でメリットを感じていただくことが大事なのだと思います。

 

 

 

学生に向けたメッセージ

 

この仕事の最大の魅力とは子どもたちの人生の1番重要な幼児期、人格形成から青年前期のトータルに関われることです。職員自身の人生で得た事を子どもたちにありのままを見せたり伝えたりする中で自分も学べる。児童が成人になれば、人対人の付き合いでより繋がっていける、そこがとても大きな魅力。

 

福祉の世界はいろいろと不安があると思います。今は待遇でも保証されている面もあるので、安心して自分の一生をかけられる職業だと思います。人と人が共に成長できる現場に飛び込んで欲しいと思います。

 

インターシップ的に23日の短期実習も行なっていますので、まずは体験していろいろと質問をしてみてください。


ベテラン職員:小木曽 恵都子

 

「今いる子たちを見届けたい。いつも傍にいて、巣立つのを見届けたいです」

 

 

 

前職との違い

 

保育園や小学校の特別支援学級の年齢層は幼児から小学生低学年で、大変でしたけれども充実していて楽しく仕事をしていました。

 

児童養護施設では最初の頃は本当にきつくて、児童とぶつかることも多く、自分の感情や心を揺さぶれられることもありました。

 

感受性が高い人ほど大変かもしれません。気持ちをフラットにしないといけないけれども最初の頃コントロールが難しかったところがありました。

 

子どもの前では感情を吐き出すことをしてはいけないので、自分のもどかしさとかそういうものを1人の時に出していました。カラオケで発散しています。

 

2年目になってようやく1年目の行動や言動が少しずつわかるようになりました。

 

 

 

印象に残っていること

 

今見ている児童で中学生ですが、ここの職員になりたいからその時までやめないでねって話をされています。昔から将来に対して漠然と話しをしていて、小さい頃は幼稚園の先生だったのがちょっとずつ変化して、職員になりたいと。私たち職員を見てそんなイメージを持ってくれたのがすごく嬉しい事でした。実はつい最近またぶつかりました(笑)

 

心の中にあったものを出しづらいタイプで、ちょっとしたタイミングで泊りの時に4時間くらい話をしていました。

 

反抗的な態度から涙を流し最後はお互い泣きながら本音で話をしました。

 

 

 

学生に向けてメッセージ

 

学校の運動会での応援や、授業参観などは保護者の感覚です。中学生の子とは友だちみたいな感覚で洋服を買いに行ったりもします。

 

でも、時にはすごく厳しく言わないといけないなど、求められている役割に多様性があります。それだけに今いる子たちを見届けたい。いつも傍にいてあげて、巣立つのを見届けたいです。

 

生活を共にしていて、些細なことでも感じることがあると、続けてきて良かったと喜びになります。


新人職員:蓜島 直人

「不自由さを味あわせたくない、「施設だから」と思ってもらいたくない」

 


児童養護施設で働こうと思った動機

 

大学3年生の時に社会福祉ゼミに入ってから児童養護施設に興味を持ちました。

 

そもそも福祉に興味を持ったのは東日本大震災でボランティアに参加してからです。宮城県亘理町で、夏休み期間に小学生を集めて一緒に遊んだり勉強を教えたりする「サマースクール」という企画がありました。それに参加した時に、社会福祉より児童福祉のほうが自分に向いていると思い興味がでてきました。

 

児童養護施設を調べた時にネガティブな情報があって、就職先としては厳しいと思っていましたが、自宅の近くに児童養護施設があって見学をしてみたところ、決して悪くはなく、逆に自分の能力を活かせると思いました。

 

子どもに関わった時に反応がよくて、抵抗を持たずに話したり遊んだりできました。今まで自分には特長がないと思っていたけど 「人と自然に接せる人当たりの良さ」を持っていることに気がつき、この能力をここでなら活かせるような気がしたのです。

 

 

 

子どもたちと接してみて

 

入ったばかりのとき、明らかに自分への対応と他の大人への接し方が違っていました。簡単に言うとなめられていたわけですね。すごく考えました。子ども自身が、自分のことを知らないし私の事も知らない。「知らない人からの話は聞きたくない」と自分でも思います。だからこそたくさん話しをする、そして子どもの話を聞くようにしました。

 

それから、節目に他人である自分がいる事にすごいことだと思います。例えばお正月とかクリスマス、「本来」なら祝うべき存在は私ではないけれど、それを普通に楽しんでもらえた時に自分は幸せだと感じてもらえたら嬉しいです。

 

不自由さを味あわせたくない、「施設だから」と思ってもらいたくないです。

 

友だちの交流が多い事によってどうしても自分と比較してしまいます。お小遣いの金額の違い、外出時間の束縛、制限のない生活をしている子との差を見て不安を感じたりします。解消しようがないけど、どうやったら分かってもらえるかを考えています。

 

 

 

学生に向けたメッセージ

 

自分はまだ3年やっただけなので、この仕事を選んでよかったかは分からないというのが今の率直な感想です。まだまだ出来る事があるのではないかと思っています。子どもたちのいろいろな姿をみていたらやめられなくなるのではと思います。


 

「子供の町の歌」

 

作詞:松浦義男 作曲:島田正市

 

 

 

1. 青葉若葉の美しさ

 

筑波の遠くかすむ丘

 

希望に燃ゆるこどもらの

 

集うところよ子供の町

 

 

 

2. 朝の空気の清らかさ

 

緑の樹木に包まれて

 

明るく生きるこどもらの

 

憩うところよ子供の町

 

 

 

3. 夕日は赤く壁に映え

 

久遠の星をあおぎみて

 

正義に燃ゆるこどもらの

 

学ぶところよ子供の町