大正元年設立埼玉県で最も歴史のある施設

児童養護施設 埼玉育児院

施設名 児童養護施設 埼玉育児院

法人名 社会福祉法人埼玉育児院

住 所 埼玉県川越市笠幡4904番地1

H P http://ikujiin.net/index.html

TEL 049-231-2107

E-mail info@ikujiin.net

施設長:柴山 英士

「自分のためだけでなく、誰か人の役に立つことによって自分の存在感や生きている意味を感じる仕事です。」

 

100年以上の歴史ある施設

埼玉育児院は大正元年(1912年)に積徳育児院という名で創立しました。4年後には現在の埼玉育児院に名称変更しました。埼玉県では一番古い施設になります。

私がここに赴任して最初にしたことは、建物のリフォームです。歴史があるため全体的に建物が古く、子どもたちの環境を改善することが一番の目的でした。今残っている建物で一番古いのは食堂で、昭和50年(1975年)にできたものです。今は建替えの準備をしています。他の建物は主に平成22年にできたものですが、平成9年に建てた木造のユニットは20年以上経つため、リフォームしました。

 

児童養護施設の現場

この仕事は、自分のためだけでなく、誰か人の役に立つことによって自分の存在感や生きている意味を感じるのではないかと思います。

児童養護の現場は、最終的には自分と向き合わなければなりません。そのとき、自分の中にきちんと戻れるところがあるのは大事です。

研修などいろいとと覚えなければならない現場ですが、子どもたちが受け入れる職員というのは、その人が醸し出す雰囲気や持っている資質も大事になります。

 

学生へのメッセージ

皆さんには、働く意味をしっかりと突き詰めて欲しいです。なぜ自分は働くのか。その上で児童の生い立ちをしっかりと受け止めてくれる大人であって欲しい。自分の意見があっても子どもの話をまずしっかり聞ける人になって欲しいと思います。


ベテラン職員:戸川 安俊

 

「児童がここにいてよかったと思える空間を作り続けていきたいと思っています」

 

 

 

職員になった理由

 

心理学を学ぶために大学の福祉心理学科に入ろうと思いましたが、ゼミの恩師が児童福祉専門だったのでそちらに入りました。

 

母親が介護福祉士、自分自身はボーイスカウトで奉仕活動や野外活動をしていく中で社会福祉というものに少し興味を持っていたのかもしれません。

 

 

 

埼玉育児院ってどんな施設?

 

埼玉育児院は大変歴史のある施設になりますが、平成16年に外部改善委員会で養育思想や業務形態をリスタートしました。そういう意味では中身は若い施設とも言えます。

 

リスタートしたことにより、今までの古い慣習は一掃され、職員や児童の声が反映されやすくなりました。児童のそばに寄り添い、声を聞き、児童の率直な思いを受け止めるといった児童のために働く職場です。

 

職員がチーム一丸となって、児童がここにいてよかったと思える空間を作り続けていきたいと思っています。

 

 

 

学生へのメッセージ

 

児童養護施設の仕事は児童と共に成長できる仕事で、人間としても成長できます。

 

それは児童や仲間たちのおかげです。一緒に学びあってより良い子どもたちの幸せを作っていきましょう。

 


新人職員:山口 多花代

「児童が自由に夢を見ることができる、その手助けができる仕事です」

 

 

 

職員を目指した理由

 

高校生の時、バングラデシュのNPOの番組を観て「自分一人の存在で一人でもいいから、自由に夢や希望を持たせられたらいい」という言葉に感銘を受け、私もそんな風に生きられたらいいなと思うようになりました。

 

高校卒業後知り合いのいる韓国へ行き、そこで知り合った方がNPOを始めるとのことで、海外ボランティアを派遣しているNPO6年間子どもに関する仕事をしてきました。

 

子どもが夏休みや冬休みの長期休暇を利用して、リーダーシップキャンプをしたり、大学生は発展途上国へボランティアに行ったりする企画、実施をする部署でした。

 

ボランティアは人に役に立つことができるため、自己肯定感を高め自分も成長できるものです。

 

日本へ帰国後、この国のニーズは何かと考えたときに関心のあった児童養護だろうと思い、児童養護施設に就職を決めました。

 

 

 

児童養護施設で働くこと

 

施設では小~中学生までの4人の児童の担当です。児童たちは心にある感情やもどかしさ、イライラをストレートに様々な形で表現してくるので、それを受け止め、どこまで児童の心に寄り添えるかを毎日模索しています。

 

これまで関わってきたNPOや施設の児童も、誰かを愛したい大切にしたい気持ちだったり、夢を見たり希望がいっぱいだけれど、それが環境によってなかなか実現できない子たちです。子ども自身の可能性や本質的なことは(どこに行っても)変わらないので、大人の手を差し伸べて少しでもお手伝いしたいと思っています。

 

このことを踏まえ、児童の個性や特性を大切にしながら見るようにしています。

 

誰かを愛したい、助けたいという気持ちは本当に大切で、親でも兄弟でも(誰かが)刺激をしてあげないと、自分は助けてもらわないと生きていけないという受け身になり、自分を下げることになってしまいます。誰かを助けることができることは自己肯定感が上がり、自信につながります。

 

この1年は必死に走りぬいてきました。ようやく仕事が見えてきて、児童たちの今だけでなく、将来のビジョンも考えられるようになりました。どうしたらいいのか考えるようになり、仕事が楽しくなってきました。

 

 

 

学生へのメッセージ

 

温かかった感触、空間、時間の記憶は大人になったとき、辛いときに支えになります。児童が自由に夢を見ることができる、その手助けができる仕事です。その中で児童から感じる感動や、関係が深まっていくことにやりがいのある楽しい仕事です。